どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
FUJIFILMのラージフォーマットカメラ、GFXシリーズ。
その真価を発揮するのは純正レンズですが、そんなにほいほい買えないという方(僕です)、純正には使いたい焦点距離や明るさのレンズがないという方、手軽に様々な写りを楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。そんなGFXユーザー、また検討中の方々の強い味方といえば、オールドレンズですよね。
中判カメラのレンズはもちろん問題なく使用でき、35mmフォーマットのレンズでもラージフォーマットの使用に耐えうるものがあります。
そこで気になるのが、実際の描写や周辺減光・ケラレといった写りの面と、装着した時のスタイル、そして使い勝手ではないでしょうか。
というわけで、僕が実際にオールドレンズを使ってみてわかったことや印象をご紹介するシリーズ、題して「GFX × オールドレンズ」。
今回使用するレンズは、「smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited」です。
それではどうぞ。
使用する機材
カメラボディ:GFX50SII
マウントアダプター:K&F CONCEPT
レンズ::smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited(35mm判換算約34mm)
このレンズについて
PENTAXにも数々の名レンズがありますが、その中でもLimitedレンズの存在は外すことはできないでしょう。
こだわり抜かれた金属外装、独特の焦点距離、そしてあえて収差を残したというその描写。どれもが他にはないLimitedレンズならではの特徴です。
そんなLimitedレンズの最初期に発売されたFA 43mm、FA 77mm、FA 31mmは三姉妹と呼ばれ、PENTAXユーザーならコンプリート必至の銘玉たち。他社ユーザーも一度はその評判を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回紹介するFA 43mmは三姉妹の長女で、Limitedシリーズの記念すべき最初の1本。
一見中途半端な焦点距離ですが、これは35mmフィルムの対角線長と同じで、PENTAXいわく真の標準画角として設定したそうです。
今はリニューアルされHD版となり七宝焼のフィンガーポイントが搭載されましたが、僕が持っているのは旧タイプなので付いていません。他にもコーティングや絞り羽根(HD版は円形絞りになった)などが改良されました。
購入価格は中古で29,000円ですが、不具合があり修理したので合計40,000円ほどに。新品でも比較的お手頃なレンズで、旧バージョンは生産終了しており在庫限りになりますが45,000円ほど。HD版でも6万円を切るぐらいで、この価格帯でLimitedレンズが手に入るのはありがたい限り。妹のFA 77mm、FA 31mmはどちらもそこそこ高価なので、3本揃えるのはちょっと大変かもしれません。でも1本買ったら最後、その質感と描写に魅了され、きっと揃えたくなりますよ。
外観
それではGFX50SIIに装着してみましょう。
僕が購入したのはシルバーなので、黒のカメラボディと合わせるとチグハグな感じになりますかね。FA 43mmにはブラックもあるので、もし今から買うならブラックにするかも。最初にシルバーを買ってしまったので、その後の77mm、31mmもシルバーで統一しました。揃えたくなるシリーズなので、1本目は慎重に選びましょう。
レンズ本体は非常にコンパクトで薄く、専用のねじ込み式フードを外せばパンケーキといって差し支えないFA 43mm。マウントアダプターを介しての装着でもそのコンパクトさは損なわれず、GFXの機動力が活きます。この組み合わせを使っていると、純正GFレンズの大きさや重さを実感しますね。個人的にデカいカメラに小さいレンズの組み合わせには萌えるので、見た目的にも好みです。
また、FA Limitedのレンズキャップはこだわりの金属製でかぶせ式。取り付けもピタッとはまり高品位ですが、専用品なので紛失には注意です。
周辺減光・ケラレ
続いて、GFXで使用する上で最も気になるところ、周辺減光やケラレについて見てみましょう。
絞り開放
F5.6
白い壁を撮るとよくわかりますが、43mmと広めの画角もあってか絞り開放では周辺減光はかなり強めに出ますね。最短距離になると若干ましになりますが、大きく変わらないため開放で使用する際は注意が必要かも。F5.6でも四隅に影響が残っており、被写体によっては気になるかもしれません。
体感ではそんなに強く出ている感じはしなかったので、実際の使用時にはもうちょっと気にならなくなるんじゃないかなと思っています。あとは構図ですかね。四隅の方に被写体を持ってくることはあんまりないかとは思いますが、そういった撮り方をする方には向いていないかもしれません。日の丸構図でなくても比較的中心付近に被写体がある場合は、周辺の悪さはボケと立体感で目立たなくしてくれ、トンネル効果も働きます。うまく使ってあげられるといいですね。
印象
ポートレートで素晴らしい評価を得ているFA 77mmや、PENTAXレンズのラスボスとまで言わしめるFA 31mmと比べ、影が薄いFA 43mm。しかし他の2本に劣らず、繊細で美しい描写をする素敵なレンズだと思います。
まず画角から。フルサイズで43mmと聞くと微妙に思えますが、APS-Cでは約63mm、ラージフォーマットでは約34mmと、いずれも使いやすいところに落ち着きます。最近は40mmのレンズも流行りましたよね。一周回って良いところじゃないでしょうか。
個人的な話ですが、35mmの画角ってあまり好きじゃなくて。カメラを始めたときは50mm相当の単焦点レンズのみで、それでずっと撮り続けていたからかもしれません。しかしアスペクト比が4:3と上下に広いおかげか、ラージフォーマットのGFXなら苦手な画角もあまり気にならず、FA 43mmも気持ち良く使えています。
描写については多くの方が語っている通り素敵なもの。というか、FA LimitedはどれもGFXと相性が良いのではないでしょうか。豊かな階調やフィルムシミュレーションといった特徴もそうですが、ともすれば写り過ぎてしまうところをうまく丸めてくれる気がします。
現代のレンズではないのでカリカリ、バキバキにはなりませんが、ピントの合ったところはとても繊細。状況によってはピント面もヴェールがかかったようにフワッとなることもありますが、これも味と楽しみましょう。ボケは基本的に優しい感じ。細かな点光源のような状況ではザワッとすることもありますが、立体感と雰囲気がそれを気にさせません。
フルサイズ用のレンズなので周辺の写りが目につくこともありますが、周辺減光がうまく隠してくれてます。しっかりと写っているのにどこか優しさを感じさせる独特の雰囲気は、何を撮ってもいい感じにしてくれますよ。
続いては操作の感触について。FA LimitedはAFレンズですが、フォーカスリングのトルク感もちょうど良くMFでの使用も快適。AFから切り替えなしでMFに移行できるクイックシフトフォーカス非対応な点が弱点といわれますが、マウントアダプターで使用する場合はそもそもAFが使えないので問題になりません。
せっかく気持ちの良いフォーカスリングを持っているのですが、絞り環の感触はイマイチ。FA Limitedレンズ共通ですが、パキパキと音がして手応えもガシャガシャした感じ。ここの感触も良ければ最高だったのにな。
作例
まとめ
というわけで、GFX × オールドレンズ、今回は「smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited」をご紹介しました。
FA Limitedレンズは次女、三女の評判が高いので影が薄いレンズですが、三姉妹の長女として恥じない魅力があります。そしてそれは、GFXとの組み合わせでも十分感じられますよ。
邪魔にならないサイズで、つけっぱなしでも良し、とりあえずカバンに入れておくのも良し。他に比べてお買い得な価格設定かつどのフォーマットでも使いやすい画角なので、PENTAXユーザー以外にもおすすめです。
FA 43mmから、FA Limitedの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
ではまた。
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