どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
FUJIFILMのラージフォーマットカメラ、GFXシリーズ。
その真価を発揮するのは純正レンズですが、そんなにほいほい買えないという方(僕です)、純正には使いたい焦点距離や明るさのレンズがないという方、手軽に様々な写りを楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。そんなGFXユーザー、また検討中の方々の強い味方といえば、オールドレンズですよね。
中判カメラのレンズはもちろん問題なく使用でき、35mmフォーマットのレンズでもラージフォーマットの使用に耐えうるものがあります。
そこで気になるのが、実際の描写や周辺減光・ケラレといった写りの面と、装着した時のスタイル、そして使い勝手ではないでしょうか。
というわけで、僕が実際にオールドレンズを使ってみてわかったことや印象をご紹介するシリーズ、題して「GFX × オールドレンズ」。
今回使用するレンズは、「MINOLTA AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4」です。
それではどうぞ。
使用する機材
カメラボディ:GFX50SII
マウントアダプター:K&F CONCEPT
レンズ: MINOLTA AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4(35mm判換算約46mm)
このレンズについて
MINOLTAの58mmといえば、以前紹介した開放F値が1.2のいわゆる「鷹の目ロッコール」が有名ですよね。MINOLTAの伝説的な銘玉として、今でもそれなりの価格で取り引きされています。
今回紹介する58mm F1.4は、そんなF1.2に比べると言及されることが少ないレンズですが、GFXユーザーにはケラレ・減光が少ないことで良く知られていますね。GFXで使うオールドレンズとしては、筆頭に挙がる1本でしょう。
58mm F1.4は最初にAUTO ROKKOR銘が登場し、後にMC ROKKOR銘となります。
どちらも5群6枚ですが、設計が異なり写りも違うとのこと。自分で試したわけではないですが、AUTO版の方が解像度を控えめにすることでコントラストの向上や開放でのフレアが抑えめになっているそう。MC版は、コントラストはコーティング性能の向上に任せ、フレアや滲みは許容しつつ解像度を上げた設計らしいです。共通する特徴として、半逆光での撮影時に虹色のゴーストが出ることが挙げられます。うまく使えばおもしろそうですね。
僕が持っているのはより古いAUTO ROKKORなのですが、チャンスがあればMC版も使って撮り比べてみたいですね。MC版の使用レビューについては他の方がされているので、そちらが参考になるでしょう。
とはいえ、実際はAUTO版、MC版の違いよりも、個々の状態の良し悪しで選ぶことになるのではないでしょうか。標準大口径レンズということで玉数は多いですが、F1.2のように特別希少な訳ではないためメンテナンスして販売するほどでもなく、状態にバラツキが多いと思われます。
僕が購入した価格は約6,000円。カメラ屋さんで購入しましたが、委託品だったため特にメンテナンス等はされておらず、ピントリングが若干スカっています。状態の良いものを探しても、恐らく10,000円前後ぐらいではないでしょうか。
外観
それではGFX50SIIに装着した姿を見てみましょう。
見た目でいえば、個人的に試したオールドレンズの中でもトップクラスに好みですね。レンズ自体の見た目もカッコいいですし、サイズ感がほどよいのでフロントヘビーにもならず、非常にバランスが良いと思います。約300gという重さはどの純正レンズよりも軽く、取り回しもしやすいですね。それでいて1960年台のMADE IN JAPANなので、安っぽさはありません。
F1.2の方はサイズがより大きく、重さも約500gあるためフロントヘビーになっちゃうんですよね。また、これは個人的な好みの話ですが、先端に向かって広がって最後すぼむ形状が…。GFXはマウント径が大きいので、どうしてもくびれが目立ってしまってイマイチに感じてしまいます。デカいのでテンションは上がりますけどね。
周辺減光・ケラレ
続いてオールドレンズをGFXで使う上で重要な、周辺減光・ケラレを見てみます。
絞り開放
F5.6
いかがでしょう。これ、すごくないですか?
まずケラれについては一切ありませんね。噂通りのイメージサークルの大きさ。
周辺減光ついては、さすがに絞り開放では目立ちますが、暗さは比較的抑えめに感じます。画角的にも表現として活用できるレベルではないでしょうか。
F5.6まで絞るともうゼロと言ってしまえるレベル。素晴らしいですね。
ケラれ・周辺減光は毎回白い壁を撮って検証するのですが、状況が厳しいので普段使いで気にならなくても、意外と影響があるのがわかったりするんですよね。その点、このレンズは本当に優秀。普段使いで気になる場面はほぼないでしょう。GFXユーザーに支持される理由がよくわかります。
印象
それでは実際に使ってみた印象を。
使いやすい
まず使いやすいのが良いですね。
イメージサークルが広いので、先にも見ていただいたように周辺減光もまず気になりません。
58mmという焦点距離はGFXだとちょっと広めの標準で、撮りたいなと思った場所から違和感なくフレームに納めることができます。また、開放F値も1.4と明るく、ボケも十分楽しめます。最短撮影距離も0.6mとほどほどで、どんな場面でも困ることは少ないのではないかな、と思います。色乗りも良いので楽しいですね。
サイズ・重さもバランスが良いので、持ち重りしません。鷹の目ロッコールのように「すごいレンズを使っているぞ!」感はありませんが、その分自然体で撮影できる気がします。
ちなみに、鷹の目ロッコールも最短撮影距離は0.6mと同一ですが、レンズの存在感が大きいので近づくのが少し躊躇われたりしますし、「撮らなきゃ」って気になっちゃいます。この辺りはスペック上には現れない気分の問題ですが、撮影結果には表れるもの。使い分けのポイントになるかもしれませんね。
貫禄がすごいです
オールドレンズらしい描写
このレンズを使っていて感じるのは、オールドレンズらしい描写だなということ。1960年代の設計ということで、性能的な面では現代のレンズには到底敵いません。フワッとしますし、絞り開放での解像感もいまひとつ。しかし、それが良い!
このレンズの特徴の1つが、個性的なボケ味。バブルボケのように輪郭が際立つボケ味は被写体によっては邪魔になることもありますが、使いやすい中に時折見せるクセに魅せられます。トロけるようなボケだけが素晴らしいわけではないなと実感しました。木漏れ日などキラキラしたものを撮りたくなります。
もう1つの特徴は、虹色のゴースト。ゴースト自体は珍しくありませんが、弧が上側を向くのがこのレンズならではなんだそうです。ミラーレスカメラならゴーストの出方を見ながら撮影できるので、うまく取り入れることができるかもしれませんね。
盛大すぎやしませんか
作例
まとめ
というわけで、GFX × オールドレンズ、今回は「AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4」をご紹介しました。
GFXでの使用にも十分に耐えるイメージサークルに、どんな場面でも困ることのない性能、自然体で使える存在感、そしてオールドレンズらしさ。さりげないながらも撮る楽しみが感じられる、隠れた名玉ではないでしょうか。隠れてないかな。
PENTAXの55mm F1.8も同じような雰囲気があり、こちらはオールドレンズの代名詞的存在として人気ですが、ROKKORも良いですね。
出会えたら状態を良くチェックして、ぜひ試してみて欲しいと思います。
ではまた。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。
質問があるのですが
もし、キャノン6DマークIIへこちらのレンズを装着するならマウントはどちらを使えば良いでしょうか?
差し支えなければ教えて頂きたいです。
コメントありがとうございます。
Canon 6DマークIIはEFマウントですよね。
なので、MINOLTA MD/MCマウントとEFマウントの変換アダプターがあれば使えるかと思います。
簡単に調べた感じだとこれが対応してそうですが、購入する際はよく確認してくださいね。
MINOLTA MD/MCマウント→CANON EFマウント変換アダプター