どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
タイトルの通り、HASSELBLAD SWC/Mという中判フィルムカメラを買ってしまいました。
今回は、なぜSWC/Mを購入するに至ったかを書いていこうと思います。
それではどうぞ。
HASSELBLAD SWC/Mとは
フィルムカメラをお使いの方やカメラが好きな方は耳にしたことがあるであろう、HASSELBLAD。スウェーデンのカメラメーカーで、有名な機種といえば500C/Mをはじめとした500シリーズ、また最近では中判デジタル機であるX2Dや907Xなんかも話題になっていますね。
今回購入したSWC/Mは、HASSELBLADが誇る超広角(スーパーワイド)中判フィルムカメラ。Biogon 38mm F4.5という、35mm判換算で21mm相当になるレンズ(6×6判の場合)を搭載しています。他に数少ない中判超広角かつ、対象型で歪みがほぼなく、直線が直線に写るというのが大きな特徴となっています。
また、写りだけでなく構造にも特徴があります。対象型レンズはバックフォーカスが短く、フィルムの直前にレンズの後玉が来るため、500シリーズのようにミラーのある一眼レフスタイルには取り付けできません。そのため、SWCはレンズを交換することができないBiogon専用機として設計され、ボディはただの箱。外付けファインダーはありますが、ざっくりと写る範囲が確認できる程度で、ピントは目測となっています。
初代は1954年発売のSWA、そこからSW、SWC、SWC/M、903SWC、905SWCと進化していきました。SWC/M はSWCの改良版という立ち位置で、ポラロイドバックが装着できるようファインダーと三脚座の高さが嵩上げされています。中古価格は30〜40万円程度。状態により価格はピンキリですが、今でも高値を維持していますね。


なぜSWCが欲しいと思ったのか
さて、そもそもなぜSWCが欲しいと思うようになったのかという話です。
購買意欲の高まり
正直、現状の所有機材(HASSELBLAD 503CXi、Planar C 100mm F3.5 nonT*、Distagon C 60mm F4、CFV 100C)で十分満足していました。ウェストレベルファインダーでの撮影体験や中判ならではの写りは素晴らしいですし、質感、音も良く、新しい機材を増やすのではなく、このシステムの拡充を考えていました。
そんなとき、某フリマサイトにて標準レンズのPlanar C 80mm F2.8の初期型、いわゆる6枚玉が格安で出品されているのを発見。これを購入しようと決意が固まり、状態について確認の質問をしている間に、売り切れになってしまいました…。
この行き場を失った購買意欲がきっかけだったのは間違いありません。



逃した魚は大きかったです…
HASSELBLAD 503CXiの弱点
503CXiは素晴らしいカメラですが、いくつか弱点があります。
まずは音。シャッターを切った際の「バシャッ」という音は心地よいものですが、シンプルに音が大きいです。静かな場所や飲食店などでは目立ちますし、雰囲気を壊してしまいかねません。
さらに、これだけの音が出ているということは内部で大きな部品が動いているということ。つまり、振動が大きく手ブレの原因になってきます。重量的にも軽くはないので、ウェストレベルで構えているときはいいですが、アングルによっては手ブレを起こしやすいです。
また、レンズにもよりますが最短撮影距離が比較的長いのも辛いところ。愛用しているPlanar 100mmは0.9mでテーブルフォトは厳しく、Distagon 60mm F4でも0.55mとギリギリです。
カフェで撮影するのが好きな僕としては、窮屈な場面が多々ありました。


XCDレンズでも良い?
上記の弱点は、XCDレンズでも克服できるものです。
907XにXCDレンズを組み合わせれば、レンズシャッターでミラーがないため音は格段に静かですし、手ブレもしにくい。
また、XCD 28mmは重さ245gで最短22cm、38mmは重さ350gで最短が30cm、45mm(F4Pの方)は重さ320gで最短32cmと、軽量かつ近距離も対応可能。
さらにこちらであれば、AFも使えますし、中判センサーにチューニングされた最新の光学性能を楽しむことができます。利便性と画質を考えれば、XCDレンズを導入するのが妥当でしょう。
https://photo.yodobashi.com/gear/hasselblad/lens/xcd28_4p/index.html



みんな大好きフォトヨドバシのレビュー
それでもSWCを選んだのは
便利で高画質なXCDレンズではなく、SWCを選んだ理由はいくつかあります。
まず、搭載されたBiogon 38mmの描写。いろいろ作例を漁りましたが、圧倒的な情報量、歪みがないために焦点距離がわからなくなる不思議な感覚など、魔力のあるレンズに惹かれました。フィルムバック、デジタルバック、チェキバックを使い分けることで、多様な使い方ができるのも魅力。
また、CFV 100Cでは換算約30mmと特徴のない画角なのに、フィルムバックにすれば換算21mmの超広角になるというギャップ。基本はCFV 100Cで使用することになるので、「普段は軽視されている老人キャラが、実はとんでもない実力者だった!」みたいな。Biogonを搭載するためだけのシステム、一点豪華主義みたいな構成にロマンを感じざるを得ません。
あとは907XとXCDレンズの組み合わせより、見た目がかっこいい(主観)!


SWC/Mを選んだ理由
さて、500シリーズのシステム拡充ではなく、XCDレンズでもなくSWCを選んだわけですが、今回僕が購入したのはSWCの改良版であるSWC/Mという機種。その中でも、CFレンズが搭載されたものを選びました。なぜこのタイプを選んだのか、大きく3つの理由があります。
CFV 100Cに装着できるから
まずはHASSELBLAD純正のデジタルバックである、CFV 100Cに装着できるかどうかが判断基準でした。公式には、SWC/M以降のボディに対応しているとアナウンスされており、SWC以前の機種では三脚座が干渉するため取り付け不可のようです。一部、ポラロイドバックを装着するために三脚座が切られた個体など、SWCでも装着できる場合もあるそうですが、SWCもCFVもお高いので、公式に沿うことにしました。
そうすると候補がSWC/M、903SWC、905SWCの3機種になります。


ボディに水準器がついているから
以前の記事では、購入するなら903SWCが欲しいと書いていました。
しかしよくよく考えると、903SWCはボディに水準器がついていません。超広角を歪みなく使用するためには水平、垂直を整えるのが重要で、それを確認できるようにボディ上面に水準器が配されているのですが、903SWCからは外付けファインダーに移されています。純正の組み合わせで使用する分には問題ありませんが、ファインダーを外して使用する場合や純正ではないファインダーを使用する場合、ボディに水準器がないと水平、垂直が確認できなくなってしまいます。
すっきりしたデザインや細かな改良、バースイヤーの個体が手に入る可能性など魅力は多々ありましたが、ボディ上面の水準器は欲しいなと思い、903SWCを候補から除外しました。
905SWCについては、レンズの硝材が変更されたり鏡筒デザインが変わったり、シンプルに価格が高すぎたりするので除外です。
デザインが好きだから
というわけで購入したい機種はSWC/Mに決まったわけですが、SWC/M の中にもバリエーションが存在します。当初はクラシックなデザインのCレンズを搭載していましたが、途中からフォーカスリングがゴム巻きになり絞りとシャッタースピードが連動しなくなったCFレンズを搭載したものへと変更になっています。
前者は503CXiで使用しているのもCレンズなため統一感があり、クラシックなスタイルで魅力的。ただ、元々デザインが好きで検討していた903SWCは後者と同じくCFレンズを搭載した機種。角形フードを装着した外観がやっぱり好みだったので、今回僕はCFレンズ搭載のものを選びました。
その他、CFレンズの方が絞りとシャッタースピードのリングが独立しているため操作性がよく、またシャッターユニットが変更となり耐久性も向上、そしてフィートだけでなくメートルで距離指標が書いてあるのも魅力的でした。


まとめ
というわけで、HASSELBLAD SWC/Mを購入した話でした。
以前から気になっていたとはいえ、勢いというのは恐ろしいものですね。過去、現在、未来の自分に手伝ってもらったので、しっかりと使っていきたいと思います。
ファーストインプレッションは次回の記事で書こうと思いますので、また覗いてやってください。
ではまた。











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