どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
使ったことのあるフィルムカメラを紹介する、フィルムカメラレビュー。今回は僕が愛するブロニカにおいて唯一のレンジファインダー機「BRONICA RF645」をご紹介します。
カメラを始めてから約5年、少ないながらもいろいろ使ってきましたが、一番好きなカメラかもしれません。それぐらい使いやすく、魅力が多いカメラです。
ボリュームたっぷりになりましたが、少しでもRF645の良さが伝われば嬉しいです。
それではどうぞ。
BRONICA RF645とは
まずはBRONICA RF645について簡単にご紹介します。
BRONICAといえば、国産中判フィルム一眼レフのメーカーとして確かな地位を築いていた「ZENZABRONICA」ですよね。吉野善三郎が送り出すブローニーフィルムカメラ。そのままの名前ですね。
代表的なカメラとしては、機械式フォーカルプレーンシャッター機のZENZABRONICA S2でしょうか。機械式、スクエアフォーマットということで1番人気だと思われます。
その他、電子式シャッターになったEC、AEを搭載したEC-TL、レンズシャッターでフォーマットのバリエーションが増えたETR、SQ、GS-1などがあります。これらは全て、一眼レフカメラ。RF645は、ブロニカ唯一のレンジファインダーカメラになります。
6×4.5から6×7まで揃えてしまいました
RF645が特別な理由はもうひとつ。それが、開発・発売されたのがZENZABRONICAではなく、今もレンズメーカーとして有名なTAMRONということです。ZENZABRONICAは、GS-1の発売を最後にTAMRONに吸収されてしまったんですね。それでもBRONICAブランドは残そうと開発されたのがRF645。
登場は2000年と、フィルムカメラとしては円熟期を迎えた頃の製品。同級生はCanon EOS-1V、Nikon F80S、MINOLTA α-7と錚々たるメンバーになります。しかし、時代は既にデジタルへの移行が始まっており、残念ながら2005年に販売終了。ブロニカ最後のカメラであり、TAMRONとしても最初で最後のカメラになりました。
RF645は名前の通り、中判では最小サイズの6×4.5判を採用。特徴としては、正位置で縦画面になること、AE(プログラム、絞り優先)の搭載、高性能な交換レンズ、正確な露出計、使いやすい露出補正ダイヤルなどでしょうか。2000年発売ということで、全体的に非常に完成度の高いカメラに仕上がっています。
BRONICA RF645の魅力
それでは僕が感じたRF645の魅力、お伝えしたいと思います。
デザインが最高
まずはやっぱり見た目!このカメラを買おうと思った理由は作例が良かったからですが、そのデザインに惚れたのも大きかったんです。
四角い箱型で薄く、必要な機能が必要な場所にある。無骨なんだけど、機能美を感じてとても好印象でした。好みはわかれるでしょうが、金のロゴも良いアクセントになっています。
この角度が好き!
RF45mm用の外付けファインダーを装着すると、これまた道具感が出てカッコいいんですよ。お気に入りのストラップも見つかり、ますます愛おしいです。縦吊りができるのも良き。ロマンですよね!
家に帰ればRF645がある。それだけで一日頑張れるぐらいには気に入ってます。
高機能
RF645の素晴らしいところ2つ目は、高機能なこと。2000年発売ということで、かなり完成度の高い仕上がりになっています。
特にそれを感じるのが、レンズ性能と露出の正確さ。RF645は純正レンズが3本(開発されたが、日本で発売されなかったのが1本あり)と絞ったラインナップですが、どれもよく写ると評判です。データでは伝わりにくいですが、実際にフィルムを見てみるとかなりキレが良く、細部まで写っているのがわかります。
そして、そのレンズ性能をきっちり発揮させてくれる高精度な露出計。RF645はプログラムAE、絞り優先AEが使えますが、どちらも非常に正確。撮影結果がその場で確認できず、コストもかかるフィルムカメラにおいて、適正な露出を得られるというのはとても価値のあるポイントだと思います。
ポジフィルムだと精度の高さがよく分かりますね
また、レンズ交換の際の感光を防ぐための遮光膜が、レンズを外す動作と連動して現れるという工夫がされているんですね。MAMIYAにもレンズ交換式の中判レンジファインダー機があり、遮光膜も付いていますが、こちらは手動。一眼レフの時代から受け継がれた、ブロニカならではのフールプルーフの設計も感じられます。
趣味性もある
高機能ですが、趣味性もないわけではありません。
RF645が登場した時には、すでに中判フィルムカメラでもAFや自動巻き上げを搭載した機種がありました。しかし、RF645はフォーカスも巻き上げも手動。シャッタースピードも絞りもダイヤルで操作します(モードによっては触らないこともありますが)。ファインダーの二重像やデジタル表示も非常に見やすいです。
撮影の簡便さでいえば同時代のカメラに敵いませんが、RF645で操作するのは自分の意思を反映するための部分。見やすい二重像を合わせ、ブライトフレームを頼りに構図を決めて。僕は絞り優先AEを使うので、シャッタースピードの上限を超えないよう絞りを決めて。慣れれば撮影までとてもスムーズで、撮った後は軽く滑らかな巻き上げで締める。この一連の撮影行為が、個人的にとても心地よくてたまりません。
全部自分でやらないといけないのではなく、かといって何でもカメラ任せにするわけでもない。ちょうど良いバランスだなと感じています。
見た目より重い
普通に考えると重いというのはデメリットだと思います。実際僕も重量は気になっており、他のフィルムカメラレビューでは、イマイチなポイントの筆頭に「重いこと」を挙げています。
しかし、RF645についてはその重さも良いものと感じてしまう。そう感じるのは、その重さが持った際の剛性感や高級感に繋がっているからです。
まあ、重いといってもRF65mmとセットで1.2kgを切るぐらい。中判一眼レフと比べたら大したことはありません。また、グリップが握りやすく重量バランスも良いので、持ち重りしません。
BRONICA RF645のイマイチなところ
続いて、RF645でイマイチだなと感じるポイントを。
マヌケなシャッターチャージ音
カメラにおいて、シャッター音って結構大事じゃないですか。写真を撮ったという手応えも得られますし、良い音だと気分も上がります。
この点において、RF645に期待してはいけません。もともとレンジファインダーのレンズシャッター機なので、シャッター音自体は「パチっ」と静かなものです。問題はその後。自動でシャッターをチャージしてくれるのですが、その音が「ウニャウニャ」となんともマヌケなんです。とても、撮った!って感じではないのは残念かも。
とはいえブロニカの一眼レフ機のデカいシャッター音とは違って静かなので、僕はもうそんなに気にならなくなりました。最近は「頑張って次の準備をしてくれているんだなぁ」と思うようになりましたね。
なんとも特徴的な音です
寄れない
レンジファインダー機の宿命とも言えますが、最短撮影距離がRF45mm、RF65mmともに1m、RF100mmが1.8mと寄れません。これはやっぱり辛いところですね。また、どのレンズも開放F値がF4以上なので、ボケも作りにくいです。
これはカメラの特性・コンセプトなので、スナップシューターや風景写真を用途として使っていく必要があるかなと。まあ僕としては、寄りたかったり明るいレンズを使ったりしたければ、こちらもお気に入りのETRSなどを使えばいいかなと思っています。
使い分けが肝心ですね
フィルターワークはめんどくさい
最高シャッタースピードが1/500秒(プログラムAE時は1/750秒)ということで、晴れた日だと割とすぐに速度オーバーになります。そこで使いたいのがNDフィルターな訳ですが、RF645はファインダーに露出計が組み込まれているため、AEを使うならファインダーにもNDフィルターをつけなければいけません。
Instagramなどを見ていると、ファインダーにもフィルターを装着している様子が見られるのですが、今となってはそのパーツが手に入るとも思えません。
これについては別で露出を測ってマニュアル撮影にしたり、ISO感度設定を変更したり、工夫次第で対応できるかとは思います。が、いずれにせよ露出に関わるフィルターワークには向いていないかなと思います。
フード装着時にキャップを着脱できない
これまでの3つは個人的にまだ影響が小さいのですが、最後のだけは困ります。
それが、フードをつけるとキャップが着脱できないこと。標準のRF65mmと広角のRF45mmは、共通のフジツボ型のフードで先がすぼまっているのですが、そのせいでレンズキャップがはまらない!
フードをつけないで使うという手もありますが、せっかく高性能なレンズの力をフルで活かすにはつけておきたいですし、何より見た目が好き。
仕方ないですが、使用する際はキャップを外しっぱなしで、フードを装着することにしました。怖いですけど。
作例
普通に構えると縦画面なので、縦写真が増えます
まとめ
というわけで、フィルムカメラレビュー、今回はBRONICA RF645をご紹介しました。
カメラ歴5年超にして、ついに辿り着いたなと感じるほどお気に入りになった1台。撮りやすさも相まって、すでにフィルムを5本消費してしまいました。いやあ、楽しい!
100mmのレンズは価格が高いので簡単には買えませんが、いずれ揃えたいなと思っています。今後も僕のメインのフィルムカメラとして、活躍してほしいですね。頼むから壊れませんように…!
今後も撮影した写真はX(旧Twitter)やInstagramに投稿していきますので、良かったらそちらも覗いてみてください。
ではまた。
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