どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
今回から、使ったことのあるフィルムカメラを紹介するシリーズを始めたいと思います。タイトルはそのまんまですが、「フィルムカメラレビュー」。
長い年月で数多くのカメラがある中で、そのカメラを手にした理由や使用感、印象など感覚的な部分をお伝えできればと思います。
記念すべき初回は、堂々たるNikonのフラッグシップ機、「Nikon F4」です。
それではどうぞ。
Nikon F4を手にした理由
僕がNikon F4を購入したのは、フィルムカメラを始めてから3ヶ月ほどのこと。当時はまだいろいろ手探りで、リサイクルショップでとりあえず動くものをいくつか買って楽しんでいました。そんな時、よく行くリサイクルショップでNikon F3と出会い、破格だったため購入。安いのには理由があったのですが、ここで初めてフラッグシップの素晴らしさを知ったわけですね。
そして次に購入したのが、Nikon F4。決め手はデザインとファインダー、そして価格でした。
Nikon F4の素敵なところ
それでは、Nikon F4の素敵なところをご紹介したいと思います。
カッコいい
いつもこればっかりで申し訳ないのですが、やっぱりカッコいいものはかっこいいのです。
Nikonのフラッグシップカメラはどれもカッコよく、オーラを放っていますよね。Nikon F4はその中でも独特だなと思います。これまでのF〜F3までのカメラ然としたデザインとも異なりますし、これ以降のF5、F6は今のデジタルカメラに通ずる形になっており、どれも見慣れたというか、近いデザインのカメラが多くありますよね。そんな中Nikon F4だけが、これまでのように物理ダイヤルを持ちつつも大きなグリップを備え、曲線的でグラマラスなボディとなりました。
Nikonのフラッグシップで唯一プラスチックボディですが、マットな質感と持った時の剛性感がそんなことを忘れさせるほどの凄みを感じます。MFからAFへの過渡期という時代背景と、イタリアの工業デザイナー、ジウジアーロによるデザインが組み合わさった、唯一無二のカメラだと思います。
信頼の性能
もちろんデザインだけではありません。
細かいスペックの話はしませんが、シャッタースピード最速1/8000秒を始め、F3から比べると性能は圧倒的に進化しています。動きもの以外にはAFも十分使え、露出も正確。写真機としては間違いなく、絶対的な信頼感を感じさせます。
ファインダーが美しい
ファインダーの見え方が素晴らしいこともNikon F4の魅力の1つです。
AFカメラながら「最高のMFカメラ」と言われるなど、本来求めている評価ではなかったかもしれませんが、ファインダーの美しさには定評があります。見え方はスペックには現れにくい要素ですが、ピントの精度はもちろん、ファインダーの美しさは写欲に大きく関わるポイント。個人的にはとても重視している部分になります。Nikon F4の素通しかのようにクリアなファインダーは、とても気持ちよく使用できて素晴らしいんですよ。
ミラーレスしか使ったことのない方はもちろん、一眼レフを使っている方にも、ぜひ一度覗いてみてほしいですね。
安い
Nikonのフラッグシップカメラで、カッコよくて性能も素晴らしいなんて、さぞかし高価だろうと思ってました。ところが、Nikon F4は他のNikonのフラッグシップ機と比べてかなりお手頃で、場合によっては中級機よりも安いこともあるぐらいです。本来の価値を考えると安すぎて悲しくなるぐらいですが、ユーザーとしてはありがたい限り。
僕が購入したのも、中古カメラ店で8,000円ほどでした。機械式カメラではないので修理不能になる可能性や、後にお話しする持病など不安なところもあるカメラですが、造りの良さからまだまだ使える個体も多いと思います。Nikonのフィルムカメラのフラッグシップを手軽に楽しめるのは、とても魅力的じゃないですか?
単3電池で動く
また、Nikon F4の電源は単3電池と、ここでもユーザーに優しいんです。フィルムカメラに使われる電池というのは、LR44のように比較的手に入れやすいものもあれば、既に生産されていなかったり、コストが高いものも多くあります。その点単3電池といえば、どこの家庭にも必ずあると言っても過言ではないポピュラーなもの。入手しやすさとコスパはピカイチだと思います。
Nikon F4のイマイチなところ
Nikon F4はとても素晴らしいカメラですが、イマイチなところもいくつかあります。
重い
まずはその重さ。1番軽いノーマルボディ単体で1kgオーバー、単3電池を含めるとさらに重量が増します。バッテリーパックを交換したF4S、F4Eだとさらにさらに重くなり、持ち歩くのに気合いが必要ですね。
持病がある
そしてNikon F4には、持病と呼ばれる経年による不具合があります。1つ目が「プレビュー鳴き」。絞りを制御する機構が経年により動作不良になり、被写界深度を確認するプレビューボタンを押し込むとキュッという音がするようになります。症状が酷くなると絞りが適切に動作しなくなり、せっかくの露出精度も発揮できなくなります。修理も今になると難しく、注油等で改善することもありますが、失敗すると故障に繋がる可能性もありますので注意が必要です。
2つ目が、ファインダーの液晶漏れです。Nikon F4のファインダーには、撮影枚数やシャッタースピードなどの情報が表示される液晶があるのですが、経年によって液晶漏れを起こす個体が出てきます。こうなると情報が見にくくなるだけでなくその部分が気になってしまい、せっかくの美しく見やすいファインダーの魅力が半減してしまいます。こちらについては修理、改善方法もないのが厳しいですね。
いずれも酷くなると使用に関わるものなので、購入する際にできる限り状態の良いものを探したいところです。
作例
改めて見返してみても露出を外さないですね。
お店でデータ化してもらう際はプロが調整してくれますが、自分でスキャンしてみると適正な露出のありがたさを実感します。安定するし、綺麗に読み込めるんですよね。多分お店で調整してもらったものでも、適正露出とそうでないものでは質に違いが出るはずなので、F4の測光性能は強い味方だと思います。
まとめ
というわけで、Nikon F4をご紹介しました。
メーカーの威信をかけたフラッグシップ機だけあって、存在感、性能は素晴らしいものがあります。そして、時代の過渡期に生まれた独特のデザイン。弱点もありますが、まだまだ使える魅力的なカメラだと思います。
フィルムカメラを知れば、いつかは手にしたくなるNikonの最上位機。あなたも手に入れて、その魅力を体感してみませんか?
ではまた。
コメント
コメント一覧 (6件)
私はF〜F6まで、歴代のF一桁を所有しています。
その中でF4は、一番不人気だとか言われていますが、ピントの山の掴みやすさは絶品で、とても良いカメラですね。
私はF4Sとして使用しています。
太いグリップ、AF-L・AE-Lボタンが届かないなど、手の小さい人には扱いづらいところもありますが、静かなシャッター音や普通のケーブルレリーズが使えたりなど汎用性もあり、MFで使用するには素晴らしいと思います。
あと、フィルムを装填した時に「チチッ」と音がするのがカッコいいですね。
歴代のF一桁をお持ちとは、うらやましい限りです。
どれも歴史を作ってきた素晴らしいカメラですよね。
F4はAFへの過渡期ということで、MFも考慮された本当に汎用性の高い良いカメラだと思います。
評価は低いですが、おかげで安く買えるのはありがたい。
F4Sのマッチョなスタイルに惚れたのですが、あいにくちょうどいいのがなくてノーマルを購入しました。F4Sいいなぁ。
互換性ではF一桁で一番良い
F4の魅力を語る上では外せないポイントですよね。
先日どのカメラを持って行こうかと、手元にあるNikon機(F4、F3、F100、FG)を触ってたんですが、やっぱりF4のファインダーがダントツで見やすい!
互換性が高いだけでなく、使いやすさもバッチリで、F4の貫禄を感じました。
F3に続きコメントさせて頂きます。ぼんしゅーさん、よくぞニコンのフラッグシップ機を取上げてくれました。無骨なスタイルに丸みを帯びたフォルムが美しいF4。少々重い個体も、そこは愛嬌。当方もかつて所有しておりました。ミラーレス一眼が注目される今、懐かしい存在です。今後もニコンカメラをよろしくお願い致します!
こちらにもコメントいただきありがとうございます。
何気にデザイン面ではF4が1番好きだったりします。
F3までは機械式のクラシカルな感じで、F5以降はデジタルと変わりないので、F4の唯一無二さが際立ってますよね。
不憫なところもありますが、実用面でも秀でていて素晴らしい!
フィルムが無くなるまではできるだけ使っていきたいと思いますね。