どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
皆さん最近フィルムで撮ってますか?
僕はフィルムカメラを始めてからしばらくはほぼフィルムがメインでしたが、最近は9:1ぐらいでデジタルが中心になっています。その理由はいろいろありますが、大きな要因の1つがフィルムや現像等のサービスの値上がり。これによって、これまではフィルムで撮っていたけど枚数が減った方や、デジタルに移行された方なんかも大勢いらっしゃると思います。
フィルムを取り巻く状況は年々悪化し、ここ数年でかなり厳しい状態になってしまったと思いますが、それでもフィルムで撮りたいじゃないですか。そこで今回は、フィルムにかかるコストを抑えて楽しめる方法を考えてみました。
値上げに負けずこれからもフィルムで撮り続けるため、また新しくフィルムを始めたいけど価格がネックになっているという方に、何かしら参考になれば幸いです。
それではどうぞ。
フィルムにかかるコスト
まずは2022年6月現在、フィルムで撮影した際にかかるコストを見てみましょう。
なお、いずれも35mmカラーネガフィルムを想定して調べ、ざっくりとまとめたものになります。細かく見ていけば金額がかなり変わってきますが、今回の趣旨はそこなので今はご容赦ください。また、中判フィルムやリバーサルフィルム、モノクロフィルムは料金が異なりますので、ご注意ください。
フィルム代:36枚撮り1本で1,500円ほど
現像代:1本につき600〜800円ほど
データ化代:1本につき600〜1,000円ほど
プリント代:1枚につき40円ほど
フィルムカメラ代:数千円〜数十万円までピンキリ
フィルムカメラは持っている前提で、36枚撮りカラーネガフィルムだとデータ化のみでも3,000円ほどは必要。1枚あたりだと80円ちょっとになりますね。同時プリントも頼むと5,000円に迫り、1枚あたりは100円オーバーに!シャッターを切るたびにチャリンとお金の音がすると言われたりしますが、まさにその通りの状況ですね。
僕自身は最近フィルムの消費量が減っていたのでフィルム自体はこれまでの買い溜め分があり、現像も出してなかったので気にしていませんでしたが、まさかここまでとは。想像以上に厳しいですね。
コストを抑える方法
フィルムで撮影する際に、どこにどれぐらいのコストがかかっているかが分かったところで、次はいかにコストを抑えるかですよね。限られた予算でいかにフィルムで撮り続けていくのか。フィルムの購入から現像、データ化までコストを抑えるポイントを考え、10項目挙げてみました。
比較的リーズナブルな銘柄を選ぶ
まずはフィルムの購入について。
減ったとはいえ、まだまだ種類があるフィルム。値段にも結構差があるので、比較的リーズナブルな銘柄を選ぶことでコストを抑えることができます。
カラーネガフィルムでは、少し前だとKodakのGold 200やColor Plus 200なんかはまだ買いやすい価格だったんですが、相次ぐ値上げで厳しくなってしまいました。これらの銘柄は実店舗でも置いていることが多く、買いやすいのも良かったんですけどね。
フィルムについては値上がりや廃盤が頻繁に起こるので、その都度状況を見極めていく必要があります。
Kodakがまたまた値上げ…。廃盤よりマシと考えるしかないですね
36枚撮りフィルムを使う
35mmフィルムの場合、同じ銘柄のフィルムでも撮影可能枚数が異なるものがあります。
基本的には24枚、27枚、36枚撮りの3種類で、撮影可能枚数が多い方がフィルム自体の金額は高くなります。しかし、現像・データ化についてはフィルム1本単位で料金がかかるため、24枚撮りでも36枚撮りでも料金は同じです。24枚と27枚はほとんど差がありませんが、36枚だと9〜12枚分多く撮影でき、差が大きくなってきますね。
現像・データ化をお店に任せる場合は、36枚撮りフィルムを使うことでコストを抑えることができるでしょう。
フィルムのまとめ買いで単価を下げる
お次は他の買い物でもあることだと思いますが、まとめ買いをすることですね。
35mmフィルムだと3本、5本、10本セットなどの販売があり、同じ銘柄で問題なければこれらを選ぶことで若干お安く購入できる場合があります。
ネットだとまれにお買い得なセットが販売されていたりしますので、根気強くチェックしていればグッとコストを抑えられるかもしれません。
おつとめ品を狙う
おつとめ品といえば、スーパーなどで期限が近い商品を安く販売することを指しますが、フィルムにもおつとめ品があります。
ご存知のこととは思いますが、フィルムには使用期限が設けられており、期限が近くなってくると割引されお得に購入できる場合があります。
実際に僕は期限切れ間近で割引されているフィルムを購入したことが数度あり、時には半額で手に入れられたことも!
出会えるかどうかは運なのでいつでも安く買えるという訳ではありませんが、生ものなどと違い期限が切れたからといって直ちに品質に問題が生じたり健康に害があったりする訳でもないので、出会えればとてもお得ですよね。
ただし、フィルムはデジタルのように撮り直しが効かないので、品質が保たれている間にできる限り早く撮影することをおすすめします。
長巻フィルムを購入し自分で詰め替える
ここから2つの内容は、個人的には上級編。
普通に販売されているフィルムというのは、すでにパッケージ(パトローネ)に詰められた状態で、すぐにフィルムカメラに装填して使用できるようになっていますよね。そこを自分でやっちゃうおうというのが、長巻フィルムの詰め替え。長ーいフィルムを購入し、自分で適当な長さにカットしてパトローネに詰めることで、1本あたりの単価を下げることができるようです。これについては残念ながら僕自身まだ未経験なので、難易度やお得さが体感的にわかりません。
金額以外のメリットとしては、撮影枚数を自分で決めることができる点が挙げられます。カメラやレンズの試し撮りのように少ない撮影枚数の方が都合が良い場合などは、自分でその分だけ詰めれば良いので無駄がありませんよね。興味があれば挑戦してみても良いかなと思います。
海外から個人輸入で購入する
フィルムの購入でできること、最後は個人輸入です。
海外メーカーのフィルムの場合は、国内の店舗やネット販売よりも個人輸入した方が安く購入できることもあるようです。これについても僕はまだ試したことがないので何とも言えないのですが、他の商品で個人輸入の経験がある方にとっては比較的ハードルが低いのではないでしょうか。
時間と手間が多少かかることと、社会情勢に左右される側面が大きいことには注意が必要ですが、試してみる価値はあると思います。
ハーフカメラを使う
続いてはカメラでできること。
先にも書いた通り、普通に購入するフィルムは撮影可能枚数が決まっています。35mmフィルムでは36枚撮りが最多になりますが、1枚分の面積を半分に分けて撮影することができるハーフカメラならさらにその倍の枚数、なんと72枚も撮影可能です。
1枚分の面積を半分にしているため画質の面では若干不利ですが、それでもデジタルのマイクロフォーサーズセンサーよりも面積は広く、APS-Cセンサーと同等ぐらいなんですね。
またハーフカメラはコンパクトな機種が豊富で、代表的なのがOLYMPUSのPENシリーズ。シャッターを切るだけの簡単なものから、ピントが目測のもの、またハーフカメラながら一眼レフというPEN Fもあります。いずれも機能美に溢れた素晴らしいデザインなので、35mmフルサイズに見劣りすることはありません。
なお、ハーフ判を現像・データ化に出す際にはその旨を伝える必要がある場合があり、データ化については追加料金がかかることもあるので、注意してくださいね。
中判フィルムについては、6×9判が最大サイズになり、それの半分となる6×4.5判がハーフサイズ(セミ判)になります。6×9判が1本につき8枚のところ、6×4.5判ではほぼ倍の15〜16枚撮影が可能。35mmフィルムに比べると撮影可能枚数は少なく感じるかと思いますが、6×4.5判で35mmフルサイズの2.7倍というフォーマットの大きさからくる描写は別次元ですので、比較するものではありませんね。
面白いのが、ハーフ判も6×4.5判も、当時高価だったフィルムを節約するために生まれたという経緯を持っていること。時代が変わった現代でも同様の目的で求められるというのは、なんとも不思議なことですね。
現像・データ化代金が安いお店を利用する
続いては、撮った後のこと。
フィルムは撮っただけでは写真として見ることはできません。必ず現像という工程が必要になり、さらにパソコンやスマホなどで見るためにはデータ化をする必要があります。避けて通れないのは仕方がないので、いかにコストを抑えるか。まずはこれらの代金が安いお店を見つけて利用することが考えられます。
現像・データ化をしてくれるお店は少なくなっていますが、店舗に持ち込みでも郵送でも受け付けているところはまだまだあり、それぞれメリットとデメリットがあります。
店舗への持ち込みの場合は、まず受け付けているお店を見つけないといけません。フィルムを郵送する手間とコストはかかりませんが、対応していないフィルムがあると別の作業所に送ることになり、時間がかかるだけでなく送料も必要になる場合があります。逆に対応しているお店では、カラーネガフィルムだと即日現像できることもあり、早ければ1〜3時間でスマホでデータを受け取れることも!ただし、極端に料金が安いことはなさそうです。
郵送で現像を依頼する場合は、複数あるお店から選ぶこととフィルムを送る手間がかかり、都合上どうしても時間がかかります。しかしながら、複数から比較して料金の安いところを選ぶことが可能で、お店ごとに現像やデータ化に差がある中で人気のお店に頼むこともできます。支払いについては、後払いで銀行振込の場合や、お店によっては楽天市場で注文という形をとっていることもあり、後者は支払いが楽で助かります。フィルムを送る際にはクリックポストが安くて楽なので、ぜひ利用してみてください。
自家現像、自家スキャンをする
現像・データ化の代金がもったいないと感じる方には、これらを自分でやってしまうという手もあります。現像代とデータ化代を合わせると大体1,500円ほどでしょうか。毎回かかる金額を削ることができるとはいえ、現像用の薬品や機材、スキャナーの金額を考えると、元をとるまでは大変です。たくさん撮る方向けの方法ですね。
僕はまだ自家現像には手を出していませんが、モノクロフィルムを使用している方でご自身で現像されている様子をSNSの投稿などで見かけることも多いので、やってみれば意外と簡単なのかもしれませんね。今回の趣旨とはズレますが、撮影から現像、そしてプリントという写真ができあがるプロセスを体験することで、写真に向き合う意識が変わるかも?機会があればぜひやってみたいです。
自家スキャンは機材さえ揃えれば比較的簡単で、カットできる金額的にもバカになりません。僕はリサイクルショップでCanonのフィルムアダプター付きフラットベッドスキャナーを2,000円ほどで見つけることができたので、かなり早い段階で元がとれました。ただし、ホコリが入らないようにしたり色味を細かく調整したりと1枚にかかる手間と時間はかなりのもので、結局お店に頼むように。高価なスキャナーなんかは使わなくなると悲しいのでおすすめしにくいですが、最近はフィルムのデジタイズ用の機材も豊富で、価格も安価なものが増えています。使い方も簡単みたいなので、挑戦してみる価値はあると思いますよ!
1枚の満足度を上げる
最後に、これは実際の金額が変わるわけではありませんが、1枚の満足度を上げることはコスパという意味でも重要だと思います。現代においてフィルムは、撮影枚数が限られていることや撮影後すぐに確認ができないという特徴から、デジタルに比べてもともと1枚に対する気持ちの入り方は強く、撮れ高も多いと思います。その満足度をさらに高めることで、実際にかかっている金額以上の価値を感じることができれば、体感的にはお得になるのではないでしょうか。
それでは、どうやって満足度を上げるか。いくつか方法はあると思いますが、個人的にはお気に入りのカメラを使うこと、手間のかかるカメラで撮ること、好みの写りのフィルムを使うことなどですかね。見た目、写りどちらでもいいですが、お気に入りのカメラで撮ることは気分を盛り上げてくれます。そして、できるなら少し手間のかかるカメラだとより楽しいと思います。フィルムを巻き上げ、光を測ってダイヤルを回して、ピントを合わせてシャッターを切る。ほとんどオートのカメラでももちろん良い写真は撮れますが、自分で操作する工程が多いほどより時間がかかり、印象に残るように思います。使うフィルムについては、好みの写りのものと出会うことができればベストですよね。それが安ければ文句なしですが、多少高くても満足度が高くなるなら十分アリ。
趣味ですから、最後は楽しい方、満足度の高いものを選ぶことをおすすめします。
僕の推しはVelvia 100ですね
まとめ
というわけで、フィルムにかかるコストを抑えて楽しむための10の方法でした。
フィルムを取り巻く状況がこれから先また良くなることは、もう期待できないかもしれません。年々厳しくなっていく中でも、ポジティブにフィルムで撮っていきたい。工夫することも楽しみながら、これからもフィルムで撮り続けていきたいと思います。
フィルムの値上げに悩んでいる方、始めたいけど価格がネックになっている方に何か参考になれば幸いです。
ではまた。
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