どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
使ったことのあるフィルムカメラを紹介する、フィルムカメラレビュー。
第2回は、記念すべき中判デビューを果たした「ZENZABRONICA ETRS」をご紹介します(長いのでここからはETRSだけにします)。
個人的にとても思い入れのあるこのカメラ。魅力が伝われば嬉しいです。
それではどうぞ。
ETRSとの出会い
このカメラとの出会いは、とある写真屋さんでした。ちょうど中判カメラ、ウエストレベルファインダーで撮ることに興味を持ち始めた時期で、目の前に現れた実物に心奪われました。電池を入れても最初は反応しなかったのですが、諦めずに試していると無事に復活。50mm、105mm、250mmのレンズとAEファインダー、スピードグリップのセットで購入しました。
そして、その時売ってたブローニーフィルムがリバーサルフィルムしかなかったため、意図せずリバーサルデビューも果たします。
初めての中判で初めてのリバーサルフィルムは、今でもその時の気持ちを思い出せるほど感動的でした。
ETRSの魅力
それではETRSの魅力的なところをどうぞ。
ファインダーが美しい
なんかこれも毎回言ってる気がしますが、ETRSのファインダーはとても美しいです。
基本はウエストレベルファインダーという、上から覗き込むタイプのものを使っているのですが、これがたまりません。中判カメラを使っている方ならわかると思いますが、ウエストレベルファインダーで覗く景色は、ともすれば現実よりも美しいのではないかと思うぐらい綺麗です。ETRSのファインダーは、ピントの合った面とそれ以外がはっきりとレイヤーになってわかるぐらいくっきり写してくれます。これだけで満足できるぐらい楽しいので、ウエストレベルファインダーを覗いたことがない方は是非一度覗いてみることをおすすめします。
また、AEファインダーを装着することで絞り優先AEが使えるようになり、アイレベルで撮ることができます。当然この時もファインダーは視野が広く、快適です。
描写が良い
これは中判カメラ全体の話になってしまうかもしれませんが、やはり大きなフォーマットの描写力は良いものだと思います。独特の空気感、立体感を感じさせてくれるので、一度知ってしまうと虜になりますね。ETRSは6×4.5という中判の中では最も小さいフォーマットになります。しかし、35mmフォーマットとは明らかに描写が異なること、またフィルムにかかる料金が上がっている中で一本のフィルムで撮影可能枚数が多い(1本で15枚。人気の6×7判は1本で10枚)ことを踏まえると、ちょうど良く使い勝手の良い位置にあるカメラではないかと思います。
意外とコンパクト
サイズが意外と小さいことも、ETRSの魅力の1つだと思います。
中判カメラもものによって小さいものから大きいものまでありますが、総じて35mmフィルムカメラよりは大きく重いものが多いです。ETRSもサイズとしては決して小さくはありませんが、75mmや50mmの薄めのレンズとウエストレベルファインダーの組み合わせは想像以上にコンパクト。箱型のボディということもあって、携行性も高いです。
拡張性が高い
ETRSには様々なアクセサリーが用意されており、拡張性が高いことも魅力の1つです。
基本はウエストレベルファインダー、巻き上げクランクのシンプルな構成で軽快に。そこからAEファインダーやスピードグリップに着け替えることで、機能や操作性がガラッと変わります。またフィルムバックの交換が可能で、35mmフィルムを装填可能なものもあり、ファインダースクリーンも各種交換できます。今となっては手に入れにくいものもありますが、自分の好みや気分に合わせてカスタムできるので、1台でいろいろ楽しめます。
ETRSのイマイチなところ
ETRSは素晴らしいカメラですが、完全無欠ではありません。
シャッタースピードが1/500までしかない
ETRSはレンズシャッター方式なのですが、最高速が1/500までとなっており、少し物足りないところがあります。とはいえ、クラシックなカメラでは特段遅いわけでもなく、レンズもF2.8より明るいものはないので、極端に困ることはありません。欲を言えばもう一段、1/1000まであれば嬉しかったかな、と思います。
AEファインダーをつけないとAEが使えない
これは当たり前かつ仕方ない話ではあるんですが、せっかくの美しいウエストレベルファインダーのままAEが使えたらと思わずにいられません。
ウエストレベルファインダーはサイズ的にも小さく軽快に取り回しが可能ですが、露出は別で測らないといけません。AEファインダーをつければ当然AEが使えますが、アイレベルになり重量も増します。中判カメラなのでそもそも気軽に撮るものではないかもしれませんが、個人的には軽快に撮っていきたい時があります。
なぜこう思ったのかといえば、同じZENZABRONICAのEC-TLという、ウエストレベルファインダーのままAEが使えるカメラを持っているからですね。じゃあEC-TLを使えばいいじゃんと言われれば返す言葉がないのですが、6×6のスクエアフォーマットが得意ではないのと、デカ重いのが大変で気合いが必要なんですよね…。
人気がない
これは今も使っている方には申し訳ないところがあるかもですが、正直あんまり人気があるようには思えません。やはり中判カメラといえばRolleiflexやHasselbladなどの海外メーカーのカメラや、PENTAX 67、PLAUBEL Makina 67などの6×7判が人気な印象があります。せっかくの中判なので、やっぱりフォーマットの大きいカメラを使いたくなりますよね。
また、ETRSと同じ6×4.5判でも、PENTAX、Mamiya、CONTAXなど人気のメーカーが揃っており、ライバルは強力です。ZENZABRONICAでは、ZENZABRONICA S2が1番人気でしょうか。いずれにせよ、イマイチ話題になりにくいカメラだと思います。ただ、個人的には非常に気に入っているカメラなので、全く気にしてはいませんが。
作例
お気に入りのカメラなので撮影枚数もかなり多く、撮れ高もよし。今回は作例たっぷりです。
まとめ
というわけで、ZENZABRONICA ETRSをご紹介しました。
僕にとっては初めての中判、初めてのリバーサルデビューを飾った思い入れのある一台。決して人気のあるカメラではないと思いますが、ZENZABRONICAらしい使いやすさは中判デビューにもってこいではないでしょうか。これからも中判カメラの相棒として、写真を撮っていきたいと思います。そして、ETRSの魅力が少しでも伝われば嬉しいです。
ではまた。
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