どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
FUJIFILMのラージフォーマットカメラ、GFXシリーズ。
その真価を発揮するのは純正レンズですが、そんなにほいほい買えないという方(僕です)、純正には使いたい焦点距離や明るさのレンズがないという方、手軽に様々な写りを楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。そんなGFXユーザー、また検討中の方々の強い味方といえば、オールドレンズですよね。
中判カメラのレンズはもちろん問題なく使用でき、35mmフォーマットのレンズでもラージフォーマットの使用に耐えうるものがあります。
そこで気になるのが、実際の描写や周辺減光・ケラレといった写りの面と、装着した時のスタイル、そして使い勝手ではないでしょうか。
というわけで、僕が実際にオールドレンズを使ってみてわかったことや印象をご紹介するシリーズ、題して「GFX × オールドレンズ」。
今回使用するレンズは、「smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited」です。
それではどうぞ。
使用する機材
カメラボディ:GFX50SII
マウントアダプター:K&F CONCEPT
レンズ: smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited(35mm換算約62mm)
このレンズについて
Limitedレンズといえば、これを使いたいからPENTAXユーザーになる、またPENTAXユーザーは必携と言われるほどのレンズ。複数あるラインナップの中でも、元祖といえる3本は特別な存在で、Limited三姉妹と称されます。発売順に43mm F1.9が長女、77mm F1.8が次女、31mm F1.8が三女ですね。
独特な焦点距離、コンパクトなサイズに上質なアルミ削り出しの外観、意図的に収差を残して立体感や空気感を描き出すなど、描写だけでなくモノとしても魅力的に仕上がっており、ファンが多いのも納得の銘玉。
フィルム時代の1997年にFA 43mmが発売されてから25年近く販売されていましたが、最近HD版としてリニューアルされました。現代的なコーティングや絞り羽根の枚数などに変更が入り、さらに磨きがかかったFA Limited。これからも長く愛されていくでしょう。
今回紹介するFA 77mmはFA Limitedの次女、中望遠レンズですね。とろけるボケと空気感を感じさせる描写に、虜になる方が続出。すでにたくさんの方がフルサイズ、APS-Cセンサー搭載のデジタルカメラに付けて作例を出してくれているので、その素晴らしさは調べればいくらでも出てきますよ。
そんなFA 77mm、ラージフォーマットでも素晴らしい描写を見せてくれちゃうんです。
僕は販売終了が発表された際に、新品で6万円ほどで購入しました。リニューアルされたHD版は新品で9万円ほど。ちょっと価格が上がってしまいましたが、このレンズの価値からすると決して高くはないと思います。
色は最後まで悩みましたが、先に購入したFA 43mmがシルバーだったのでそれに合わせました。シャンパンゴールドに近いシルバーが独特の色味で、アルミ削り出しの質感がより映えるのではないかなと個人的には思っています。ブラックは綺麗な緑色のフィンガーポイント(七宝焼で作られてます)や絞り、被写界深度等の刻印が綺麗に見えるのが良いですよね。こっちも捨てがたい。
外観
それでは、FA 77mmをGFXに装着した姿を見てみましょう。
FA 77mmは中望遠レンズですが、フィルター径49mm、重量270gと非常にコンパクトでスリム。先に向かって細くなっていく形状は、GFXの巨大なマウント径からアダプターを介して装着するスタイルにもマッチしていると思います。引き出し式のレンズフードもコンパクトなので、使用してもバランスが崩れません。軽いのでフロントヘビーにならないのも嬉しいですね。
また、コンパクトかつ上品な質感がGFXのイカつい印象を和らげてくれると思います。焦点距離、評判的にもポートレート用途で考えている方も多いでしょう。巨大なGFレンズと比べると圧倒的に小さく、撮られる方にも優しいレンズだと思います。
気になるところとしては、最短距離でレンズが結構伸びること。フードも合わせると思った以上に長くなります。また僕が購入したのがシルバーなので、ボディとは色味や質感がかなり異なるのも惜しいところ。いわゆるパンダスタイルで嫌いではありませんが、これがブラックなら一体感があってより一層カッコよかっただろうな。
周辺減光・ケラレ
続いて、GFXで使用する上で最も気になるところ、周辺減光・ケラレについて見てみましょう。
絞り開放
F5.6
絞り開放ではなだらかに減光している様子が見られますね。最短距離の方が若干影響が大きいようです。AF Nikkor 85mm F1.4 D (IF)に比べると強めかな?ケラレはありませんね。
F5.6まで絞ると、無限遠では減光はほぼないと言って良いのではないでしょうか。最短距離になるとレンズが伸びるのが影響するのか、角に濃いめに出てきますね。絞って最短近くで撮影するシチュエーションはそう多くないかと思いますので、あまり気にしなくても良いかと思います。
平坦な白い壁という条件なので体感以上に影響が強く出ているように感じます。実際に使用するシチュエーションでは問題とならないことが多いと思います。作例も参考にしてくださいね。
印象
77mmという独特の焦点距離は、GFXに装着すると約62mmに。中望遠からちょっと長めの標準域まで広がってくるので、使い勝手がかなり良くなります。しかも、撮って出しでも十分使えるほど周辺減光が少ない。これだけでも価値は高いでしょう。
さて肝心の描写ですが、数々の噂に違わない描写だと思います。フィルム時代のレンズなので、性能的な面では純正GFレンズには敵いません。しかしLimitedレンズならではの官能評価を重視した設計は、その場の雰囲気を繊細に写し出してくれます。
ピントの合った場所はしっかりとシャープに描いてくれますが、バキバキした嫌な感じはなく上品さも覚えます。そして、とろけるようにボケていくFA 77mmの魔力。XF56mm APDを使っていたときと同じく、自分が上手くなったかのような感覚になります。
フルサイズ用のレンズなのでラージフォーマットでの使用は想定外なわけですが、2002年発売で比較的最近のレンズということもあってか画面周辺でも大幅に崩れる様子はありません。このレンズは中望遠域の豊かなボケと立体感を活かして主役を目立たせる使い方が多いと思いますので、周辺に関しては十分すぎる画質だといえるのではないでしょうか。
イマイチなところを挙げるとすれば、グリーンとパープルのフリンジが結構派手に出ることと、絞り環の感触ぐらいですかね。
フリンジですが、水面の反射のような場面を撮るとビックリするぐらい色づいているのがわかります。最近のレンズではないのでこうした性能に完璧を求めるのは酷かもしれません。とはいえ、RAW現像される方なら補正で対応可能だと思いますし、悪条件下以外では気になるほどではありません。
絞り環は見た目の高級感に反して、ガシャガシャとした感触と音がします。FA 43mmも同様で、この時代のPENTAXレンズでは多いみたいですね。細部までこだわったレンズなので、これだけは残念に思います。
一方フォーカスリングの感触は良好。MFレンズに比べればさすがに劣りますが、AFレンズではかなり頑張っていると思います。リングの回転とともにピントが移り変わっていくのがたまりませんね。
描写、質感、使いやすさ、どれをとっても今まで使ってきたオールドレンズで1番かもしれません。
作例
まとめ
というわけで、GFX × オールドレンズ、今回は「smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited」をご紹介しました。
語り継がれるPENTAXの3本の銘玉、FA Limitedレンズ。FA 77mmは数多くの中望遠域を代表する1本に間違いないでしょう。GFXとの組み合わせでもその魅力は十分に発揮されますし、画角も広がってむしろ使いやすくなっているのではと思うほど。
純正レンズの緻密さや精細さには及びませんが、その場の空気感や存在感を写してくれるこのレンズ。PENTAXユーザーはもちろん、ミラーレスカメラをお持ちの方は持っていて損はないと思います。
先代は販売終了してしまいましたが、HD版としてリニューアルされまだまだ現役。機会があればぜひ試してみてください。
ではまた。
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