どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
使ったことのあるフィルムカメラを紹介する、フィルムカメラレビュー。
今回はハーフカメラでありながら一眼レフでもあり、流麗なデザインでファンも多いOLYMPUS PEN Fシリーズから、「PEN FV」をご紹介します。
それではどうぞ。
PEN FVを購入した理由
まずはPEN FVがどんなカメラか、なぜ購入したのかについて。
OLYMPUS PENシリーズといえば、デジタルカメラの時代になっても存在するOLYMPUSの代表的な機種の1つ。
フィルムカメラのPENシリーズは、1枚の写真を撮影するのに35mmフルサイズの半分の面積を使うハーフカメラの代表的な機種であり、そのコンパクトなサイズや可愛らしい見た目から今でも人気のカメラです。
そんなPENシリーズの中でも、PEN Fは特殊でした。それまでのPENがレンズ一体型のいわゆるコンパクトフィルムカメラだったのに対し、PEN Fはレンズ交換が可能な一眼レフとして誕生。ハーフサイズでありながら様々な交換レンズを有するシステムカメラとして、しっかり撮りたいユーザーの要求に応えてくれたのです。
もともと僕はPEN EE-3というコンパクトカメラを使っており、キュートな見た目とシャッターを押すだけで撮れる簡単さはとても便利で気に入っていました。しかし、人間というのは欲深い生き物。画質は十分だったのですがさらに高いものを求め、また自分でもっと操作して撮りたいと思うようになりました。
そこで、PEN Fシリーズ。カメラ正面に花文字が入った初代Fと、露出計が搭載されデザインが変わったFT、FTから露出計を除いてファインダーが明るくなったFVという3種類があります。この中からPEN FVを選んだのは、デザインの好みとファインダーの明るさ、その両方を妥協したくなかったら。
購入した個体はスローシャッターがうまく切れないという不具合があり、また使っている途中にミラーが吹っ飛んだりとトラブルもありましたが、あまり気にせずに使用しています。
PEN FVの素敵なところ
それではPEN FVの素敵なところをご紹介します。
唯一無二の美麗なデザイン
素敵なところはたくさんありますが、トップに来るのがその見た目。一眼レフカメラでありながらペンタ部を持たず、一見するとコンパクトカメラのよう。そのフラットな天面にあるのは巻き戻しクランクのみで、ダイヤル類がありません。ボディ正面にはシャッタースピードダイヤルとセルフタイマーが設置されています。
余計なものがなくシンプルで削ぎ落とされたデザインは、OLYMPUSの天才設計者として有名な米谷美久さんによるもの。PENシリーズをはじめ、OMシリーズやXAなども携わっています。中でもPEN Fシリーズは独特かつ流麗なデザインで、他のカメラにはない美しさがあると思います。
似てると思いませんか?
ガッチリした一眼レフカメラは撮影時に気合いを入れてくれますが、PEN FVは軽やかに撮影に向かう気持ちにさせてくれます。見た目に威圧感がないので、街撮りなんかにも良いですね。
また通常のカメラとは異なり、構造上縦画面がデフォルトになります。これも面白いところで、自然に構えて撮るので勝手に縦長の写真が多くなるんですよね。フィルム一眼レフはファインダーで画面の構成をすべて決めるので、覗くところが違うというのは新鮮な気持ちになります。
キレのいいシャッターフィール
独特なのはデザインだけではありません。シャッターの感覚も、PEN Fならではだと思います。シャッターボタンを押すと、ジャキンとキレの良い音とともに手に伝わる振動。シャッターフィールは撮影の手応えとリズムに関わる大事なところ。他のカメラとは一味違った感覚ですが、キレの良さは気持ちよく撮影させてくれますよ。ただ、振動が軽減されるような優しい仕様ではないので、特に暗いところではブレに注意です。
ちなみにこの音と感触については独特な機構によるもので、なんとシャッターがチタン製のロータリー式とのこと。半円形のチタン製のシャッター幕がボディの中で高速で回転するなんて、普通では思いつかないですよね。この辺りのお話は設計者の米谷さんが語っているので、ぜひ一読してみることをおすすめします。
本格派なのにハーフカメラ
もともとの購入動機は、ハーフカメラの中でより高画質なもの、より自分の意思を反映させられるカメラが欲しい、ハーフカメラなのに本格的なものをという希望でした。確かにPEN FVはその期待に応えてくれましたが、その使用感はハーフカメラの可愛らしいイメージを覆すソリッドなもの。当初のイメージと変わり、どちらかといえば本格的なカメラなのにハーフサイズで撮れると言った方が正確なのではないかと思います。同じハーフカメラのPEN EE-3などではなく、OMシリーズなどの一眼レフカメラと比較するべきカメラだと感じました。
本格的な一眼レフと同じような使用感なのに、撮れる枚数は倍。カメラで撮影すること自体も楽しみたい僕みたいな人間にとっては、枚数を気にせずシャッターを切れるPEN FVはとてもありがたい存在。また、フィルムが高騰している昨今なので、コスパ的な側面からもハーフカメラはとても頼りになりますよね。
露出計もないフルマニュアルカメラということで見た目だけで購入すると痛い目に遭いそうですが、PEN FVに似合うようサラッと使いこなしたいところです。
PEN FVのイマイチなところ
続いてはPEN FVのイマイチなところを。
レンズが少ない
先にも書いたように、PEN FVは一眼レフカメラなのでレンズ交換が可能です。その交換レンズのラインナップ自体は15本以上あり、広角から望遠まで充実したものでした。しかし今となっては、数が少なくなかなか出会うことがありません。またレンズによってはプレミアがついて高価な場合もあり、手軽に購入することが難しい状況です。
結局ボディと一緒についてきた38mm F1.8のみで撮っていますが、僕の撮影内容的にはこれで十分だったのでそこまで影響はありませんでした。
性能的に不便なところがある
PEN FVのイマイチなところ、もう1点が性能面です。
PEN FVはFTから露出計を除いた機種ということで、当たり前ですが露出計を搭載していません。もちろんそれをわかった上で購入していますし、単体露出計も持っていて今時ならスマホアプリでも代用可能なのですが、正直これのせいで持ち出すのが面倒になるときもあったりします。わがままですみません。
また、シャッタースピードが最速1/500秒というのも、ちょっと遅めですよね。これも事前にわかっていることですし、構造上ここまで引き上げたこともすごいと理解していますが、もうちょっと速ければと思うこともなくはないです。
いずれも事前に納得して購入しており、カメラに合った使い方をすれば良いだけなので、文句はありません。購入を検討している方は注意してくださいね。
作例
ハーフカメラということで、1枚ずつではなく2枚セットの組み合わせでスキャンされる場合もあります。
組み合わされる写真を想定して撮るもよし、特に考えずに撮って意外な組み合わせを楽しむもよし。組み合わせがおもしろかったものも載せておきます。
ちなみに写真はすべてセルフスキャンなのですが、ハーフサイズでフォーマットが小さいせいかスキャンが難しく、色味がうまく出せない…。普段はトリミング程度しかしませんが、この作例については後からそこそこ修正しています。
まとめ
というわけでフィルムカメラレビュー、今回はOLYMPUS PEN FVでした。
独特な機構とデザインは、他とは一線を画す唯一無二のもの。機能的に厳しい部分もありますが、それを乗り越えて使いたくなる魅力を持っているカメラだと思います。
フィルムの高騰が止まらない中、倍の枚数撮影できるハーフカメラは心強い味方。PEN Fシリーズなら、本格的なカメラで撮りたいという欲求にも応えてくれますよ。
PEN Fシリーズと一緒に、素敵な体験をしてみませんか。
ではまた。
ハーフカメラでリバーサルもシビれますね!
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