どうも、ぼんしゅー(@bonshuuuuu)です。
使ったことのあるフィルムカメラを紹介する、フィルムカメラレビュー。
今回は人気のスクエアフォーマットで、ウエストレベルファインダーのまま絞り優先AEが使えるという画期的な中判カメラ、ZENZABRONICA EC-TLをご紹介します。
それではどうぞ。
EC-TLを購入した理由
EC-TLを購入したのは、ETRSと同じお店。香川県の街中の小さな写真屋さんなのですが、いくつか中古カメラも扱っていました。
ETRSを購入した時にもすでに隣に並んでいましたが、その時は使い方がイマイチわからず。自転車で持ち運ぶにも厳しい重さだったので候補から外れました。
そんなEC-TLを迎えに行ったのは、地元の淡路島に帰って車に乗るようになり、機材の重さが負担にならなくなってから。久しぶりにその写真屋さんに伺った際、まだ並んでいるのを発見。そこでは買わずに一度帰宅したものの、調べる内に気になってしまい結局数日後に再び買いに行きました。
本体とフィルムバック2つ、コムラー50mmとプリズムファインダーのセットで購入しましたが、フィルムバックの1つが動きが悪く、レンズも絞り羽根に粘りがあります。そのためフィルムバックは交換せず1つで運用、レンズもNikkor 75mmとZENZANON 100mmを追加で入手し使用しています。
ブロニカはニッコールが使えるんですよ!
EC-TLの魅力
それではEC-TLの魅力をご紹介しましょう。
人気のスクエアフォーマット
EC-TLの魅力の1つ目は、スクエアフォーマットであること。ハッセルブラッドやローライフレックスなどの人気機種と同じくましかく写真が撮影できます。
フォーマットが違えば撮る内容も変わってきますよね。ましかくだと画面内のバランスを崩しにくく、どうしても日の丸構図が多くなってしまいますが、印象的な写真が撮れるような気がします。ちなみに僕自身は縦横の違いがないのが難しく、スクエアフォーマットは苦手です。
ウエストレベルファインダーで絞り優先AEが使える
絞り優先AEといえば、絞りを決めれば自動でシャッタースピードを調整してくれる便利な機能。デジタルカメラではもちろん、フィルムカメラでも多くの機種で搭載されており、僕も大変お世話になっています。
そんな絞り優先AE、中判カメラでは搭載している機種自体も限られますが、大抵はファインダー側でコントロールするカメラが多いと思います。僕が持っているETRSも、AEファインダーを装着することで使用可能になりますね。
しかしEC-TLは、ファインダーではなくボディ内で測光する設計で、ウエストレベルファインダーのまま絞り優先AEが利用可能。Nikon F3なんかだとファインダーを外してもAEが使用可能ですが、利便性はどうしても劣ってしまいます。その点EC-TLでは初めからそのように設計されているので利便性も問題なし。
ウエストレベルファインダーの利点である美しさや軽さ、コンパクトさを保ったまま手軽に撮影できるこの機能は、まさに革命だと思います。
使いやすい
先の絞り優先AEもそうですが、シャッタースピードが1/1000秒まで使えるなど機能的に使いやすいのも魅力です。
中判カメラだと最速1/500秒までの機種が多く、この速さは限られたカメラしか使えません。たかが一段ですがされど一段。実際使うと結構大きな差を感じます。
またBRONICAのカメラ全般に言えることですが、多少雑に扱っても壊れないラフさもありがたい。ハッセルブラッドのように操作を誤るとレンズが外れなくなったりしません。どのカメラでも使い慣れたら問題ないとは思いますが、余計な気を遣わずに済みます。
あと地味に嬉しいのがウエストレベルファインダーの開閉のしやすさ。開くときはどのカメラもスムーズかと思いますが、閉じるときは一手間かかるものも多いんですよね。このカメラは、前のパーツを閉じればサイドの部分も自動で閉じるような造りになっているので、つっかえたりして煩わしくなりません。
また、シャッタースピードダイヤルが右手側に設置されているのも使いやすい。S2だと左手側にダイヤルがあり、絞り優先AEもないので操作が煩雑になりますが、EC-TLなら左手は動かさずにカメラを支えることに専念できます。
あまり人気はなかったようですが、総じて使いやすい良いカメラだと思います。
EC-TLのイマイチなところ
続いて、EC-TLのイマイチなところもお伝えします。
重い
やっぱりこれですよね。重さ。
中判カメラはどうしても大きく重くなりがちなのですが、EC-TLも例外ではありません。その重さは2kgを少し超えるぐらい。レンズによってはさらに重くなります。
これ1台だけでもズッシリくる重さですが、デジタルと併用しようとするとさらに負担が増すため、相方は選びますね。
ストラップ金具が専用品
中判カメラによくあるのが、ストラップ金具の問題。重いカメラが多いためか、専用の金具が必要な場合が結構あります。
EC-TLも例に漏れず専用の金具が必要です。重い上に持ち手がない形状のため、ストラップがないと持ち運びが大変。購入時に付いていない場合は金具だけ別で調達することになりますが、これが地味に高いしあまり見かけません。
金具だけ探すのは大変なので、特にこだわりがなければOP/TECHのストラップがおすすめです。パッド部分がバックルで簡単につけ外しできるので、収納する際にも邪魔になりません。パッドは肉厚で、肩にも優しい。
電子式カメラである
機械式のS2とは異なり、EC-TLは電気で制御する電子式シャッター機です。
そのおかげで機能的に便利になった部分は多々ありますが、交換部品がなくなった今、故障すると修理ができなくなるリスクを抱えることとなりました。電子式カメラの宿命ではありますが、突然使えなくなるかもしれないことは理解しておく必要があるでしょう。
明るいところでは速度表示が見づらい
EC-TLの特徴である絞り優先AE。使用の際には、ファインダー上部にあるLEDで速度が表示されるのですが、明るいところだとこれが見づらいんですよね。
ファインダーのルーペを立ち上げて覗けばギリギリ見えますが、全体が見えなくなるので撮影の際にはちょっとコツが必要になります。
ちょっと暗めに写ることがある?
ウエストレベルファインダーの状態で測光する仕組みのため、ファインダーからの逆入光が露出に影響するのでしょうか。基本的に露出は正確なのですが、たまに暗めに写ることがあります。
EC-TLはこの現象の対策として、ファインダー側からの逆入光も測った上で露出を決定しているはずですが、もしかしたら僕のはそこが十分に機能していないのかもしれません。
ウエストレベルファインダーで使用する際はルーペを上げたり体で影を作ったり、直射日光が当たらないように工夫してあげるのが良いかもしれませんね。
うまく使ってあげましょう
作例
便利で良いカメラなんですけど、あんまり撮ってない…
作例増えたら追加します
まとめ
というわけで、「フィルムカメラレビュー」今回はZENZABRONICA EC-TLをご紹介しました。
このスタイルのカメラはどうしてもハッセルブラッドと比べられますし、同じBRONICAでも機械式のS2の方が人気のため影が薄くなりがち。しかし、BRONICAならではの練られた使用感はそのままに、より便利な機能も搭載されたEC-TLは、他のカメラと比べてなんら劣っていないと思います。重いけど。
なかなか選ばれることはないかもしれませんが、ウエストレベルファインダーで絞り優先AEが使える貴重な機種、写りも良くて楽しいですよ。
ではまた。
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